大動脈瘤のほとんどは無症状です。また、健康診断時に行われる胸部レントゲン検査で発見されないケースもあり、腹部についても痛みを伴うことが稀なため、健康と思われていた人も突然の大動脈瘤の破裂により、その人生が終わってしまうことも十分にありえます。

では、どうしたら大動脈瘤破裂による突然の死を避けることができるのでしょうか。それは定期的に胸部、腹部のCT(COMPUTED TOMOGRAPHY)検査をすることです。CT検査により大動脈瘤の有無、有の場合は正確な大きさ、そして手術が必要かどうかを判断することが出来ます。

次に、CT検査により大動脈瘤が発見された場合は、まず動脈瘤を治す薬はないことを知ってください。動脈瘤は少しずつ大きくなっていき、やがては破裂します。破裂は死を意味します。そうならないためには動脈瘤が大きくなった時点で外科手術またはカテーテル治療が必要です。

大動脈瘤が小さいはうちは、血圧を上げないよう薬によるコントロールを行います。しかし、大動脈瘤は少しずつ大きくなっていきますから、いずれは手術かカテーテル治療が必要になります。手術については胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤では違いがありますが、どちらも人工血管置換手術を行います。カテーテル治療は動脈にカテーテルを挿入し、動脈瘤のあるところでステントグラフト(人体に馴染みやすい人工布を筒状に形成しそれにステントと言われるバネ状の金属を縫い付けた人工血管です。)を展開し留置します。簡単に言うと動脈瘤の中に新しい人工血管を通します。これにより血液は新しく設置した人工血管を流れるようになりますので、動脈瘤破裂の可能性を劇的に低めます。開胸や開腹を行わないため入院期間が手術より大幅に短くなります。ただし、このステントグラフトの展開留置につきましては、新しい治療法のため長期の安全性や有効性が確立されていない上、身体の適性を調べる必要があります。

大動脈瘤は怖い物です。まず、それを強く認識をする必要があります。そのために強い書き方をしました。実際は、動脈瘤が小さいうちの発見は治療する薬がなくても、大きくなることをある程度は抑えることができますし、手術等により人工血管に置き換えることができますので、必要以上に怖がる必要はありません。きちんと日頃の検診(可能な限り一般的な健康診断よりも詳しい検査)を受けることにより対処できます。高血圧の人、また遺伝的傾向が認められているため家族に大動脈瘤の人がいる人は、特に注意が必要ですので、早めに検診を受ける必要があります。